この記事では、土地家屋調査士資格の試験日・試験内容・合格率についてまとめています。この資格に関心がある皆さま是非参考にしてください。
土地家屋調査士とは、あらゆる土地、建物、構造物の位置、高さ、大きさを測定し図面を作成して、不動産の表示に関する登記の申請手続き等を主に行います。土地家屋調査士によりその土地、建物、構造物の位置が地球上のどの場所に配置されるのかを登記によって法的にその存在を立証・保証するということです。いわゆる表題の登記です。(建物表題登記は申請しないと罰則規定があります。)それらの業務は土地家屋調査士にしかできない独占業務です。そう考えるとこの「土地家屋調査士」がいかに重要な職業であることがわかるのではないでしょうか?
それでは、土地家屋調査士資格について紹介していきましょう。
土地家屋調査士資格試験の概要
土地家屋調査士試験は法務省が行う 土地家屋調査士 第6条第1項の規定による国家試験です。
・筆記試験と口述試験(筆記試験の合格者対象)がある。
・筆記試験「午前の部」「午後の部」に分けられる。
・「午前の部」の免除条件:測量士補、測量士、一級、二級建築士の資格を有するもの。
・9割程度の受験者が「午後の部」から受験しているという現状。
※ほとんどの人が「午前の部」を免除されて受験しています。
受験資格
受験資格はありません。年齢、性別、学歴等の制約はありません。誰でも受験できます。
受験申込方法
受験の申込方法は以下の2通りです。
受験しようとする試験場の所在地の法務局、地方法務局の総務課に提出
受験しようとする試験場の所在地を管轄する法務局あてに、必ず書留郵便で送付。
受験手数料
土地家屋調査士試験:8,300円
※収入印紙による
※受験手数料は受験しなかった場合でも返還されません。
土地家屋調査士資格の試験日と試験内容
試験日
【筆記試験】
毎年10月第3週の日曜日
【口述試験】
毎年1月3週目(筆記試験合格者のみ)
試験内容
試験方法
受験地一覧
東京、大阪、名古屋、広島、福岡、那覇、仙台、札幌、高松
土地家屋調査士試験の合格点と合格率
合格点と合格率
土地家屋調査士試験(午後の部) | |||||||
基準点(点)足切り | 合格点(点) | 申込者(名) | 受験者(名) | 合格者(名) | 合格率(%) | ||
択一式 | 記述式 | ||||||
令和3年 | 32.5 | 30.5 | 73.5 | 3,859 | 404 | 10.5 | |
令和2年 | 32.5 | 30 | 71.0 | 3,785 | 392 | 10.4 | |
令和元年 | 32.5 | 33 | 76.5 | 5,279 | 4,198 | 406 | 9.7 |
平成30年 | 35 | 33.5 | 81 | 5,411 | 4,380 | 418 | 9.5 |
平成29年 | 37.5 | 36 | 81 | 5,837 | 4,600 | 400 | 8.7 |
平成28年 | 30 | 31.5 | 74.5 | 5,658 | 4,506 | 402 | 8.9 |
平成27年 | 32.5 | 30 | 73.5 | 5,659 | 4,568 | 403 | 8.8 |
平成26年 | 35 | 30 | 74.5 | 5,754 | 4,617 | 407 | 8.8 |
平成25年 | 30 | 30 | 71.5 | 6,017 | 4,700 | 412 | 8.8 |
平成24年 | 40 | 29 | 72.5 | 6,136 | 4,986 | 418 | 8.4 |
平成23年 | 30 | 24 | 60 | 6,310 | 5,056 | 390 | 7.7 |
平成22年 | 32.5 | 29 | 67 | 6,739 | 5,643 | 471 | 8.3 |
午後の部でみておきましょう。
合格点は直近10年でみると平均値で73.2点です。傾向としては昨年(令和元年)が76.5点で、一昨年(平成30年)よりも下がっていますが上昇傾向です。
合格率は直近10年でみると平均値で8.77%です。10%切ってますのでかなり狭き門であるといえます。傾向としては昨年(令和元年)が9.7%点でこれも上昇傾向にあります。
ちなみに人気の高い国家資格の難易度はというと
・社会保険労務士:3~9%
・行政書士:10~15%
・宅地建物取引士:15%程度
社会保険労務士に合格率は近いのかなと思います。難関資格ですね。合格者は受験者数は大体4000人から5000人前後です。ここ10年は減少傾向にあります。ちなみに口述試験で不合格になる人はよっぽどでない限りほとんどいないようです。
合格発表
合格発表日は、例年、筆記試験が1月初旬、口述試験が2月半ばごろ。また、法務省のHPでも、合格者受験番号・合否判定基準、試験問題の正解番号を確認できます。
土地家屋調査士試験の参考書・問題集のおすすめ
『2級土木施工管理技士の学科試験勉強用のテキスト・問題集ってあるの?』と悩んでいませんか?こちらでは、2級土木施工管理技士の学科試験を独学で勉強している方に向けて、おすすめのテキストや問題集をご紹介します。しかし、土地家屋調査士試験は受験者数が多くない試験なのかあまり情報がありません。実際に本屋に足を運んでも、受験者数の多い「宅地建物取引士」に比べてかなり品ぞろえが悪いというのが現状です。数は少ないですが、中でもおすすめテキスト、問題集を紹介します。是非参考にしてみてくださいね。
土地家屋調査士六法
この「土地家屋調査士六法」は一般的な法令集とは異なり、横書2段組のテキスト感覚で参照できる法令集のようです。土地家屋調査士の法令集といえば、東京法経学院のこの法令集ぐらいが市販されているものではないでしょうか?ただ、あまりこの六法を頼らず、過去問中心に10年分程度すれば傾向がわかるので、特に初学者の人は買わないほうが良いという意見もあります。
著者 | 東京法経学院編集部 |
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出版社 | 東京法経学院出版 |
ページ | 1350ページ |
土地家屋調査士 択一式過去問
択一式の過去問といえばコレ。8年分の過去問が分野別に記載されています。3回以上はやらないと身につかないようです。
著者 | 日建学院 |
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出版社 | 建築資料研究社 |
ページ | 580ページ |
民法がわかった
民法の初心者におすすめでとても有名なテキストです。宅建受験のお供にも利用されている人もいるようです。土地家屋調査士の民法は宅建の民法で勉強する人も多いようですが、このテキストで十部カバーできるようです。アマゾンでもかなり評価が高いです。
著者 | 田中 嗣久、田中 義雄、大島 一悟 |
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出版社 | 法学書院 |
ページ | 428ページ |