建築デザインにおける「積層(せきそう)」は、単に床を積み重ねるという機能的な意味だけでなく、空間に奥行きとリズム、更に豊かな表情を与える重要な手法です。今回の記事では、積層デザインがもたらす視覚的・空間的な魅力と、現代建築におけるその役割について深掘りします。
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「積層」が建築にもたらす3つの付加価値
建築において「積み重ねる」という行為は、以下の3つの観点からデザインの質を飛躍的に高めます。
1. 空間の「奥行き」と「透明性」

単一の壁面ではなく、複数の層(レイヤー)を重ねることで、視線が通り抜ける「抜け感」と、何かが隠れているような「奥行き」を同時に演出できます。
ルーバーやメッシュの活用
外壁に薄い層を重ねることで、光と影のコントラストが生まれ、時間とともに表情が変わるファサードを構築できます。
2. ボリュームの「分節」と「リズム」

巨大な建築物を一つの塊として見せるのではなく、層状に分節することで、圧迫感を軽減し、人間に寄り添ったスケール感を生み出すことができます。
ズレの美学
あえて層を水平方向にずらす(オフセットさせる)ことで、テラスや軒下空間が生まれ、内と外が溶け合うような中間領域が形成されます。
3. 素材の「対比」と「調和」

異なる素材を層として重ねることで、それぞれの質感を強調し合うことができます。
コンクリート × 木材 × ガラス
重量感のある素材と軽やかな素材を交互に配する積層デザインは、現代建築における王道のアプローチの一つです。
積層デザインを象徴するアプローチ
現代の建築家たちがどのように「積層」を解釈しているか、いくつかのパターンを見てみましょう。
| 手法 | 特徴 | 効果 |
|---|---|---|
| 水平層の強調 | スラブ(床)のラインを強調し、水平方向に伸ばす。 | 建物が地面に馴染み、安定感と広がりを与える。 |
| ランダム・スタッキング | 箱状のボリュームを不規則に積み上げる。 | 複雑な外部空間(テラス)を生み出し、躍動感を与える。 |
| グラデーション積層 | 下層から上層にかけて、層の密度や素材を変化させる。 | 空へと溶け込むような視覚的軽やかさを演出する。 |
現代建築の事例から学ぶ
積層デザインのインスピレーションとして欠かせないのが、日本が世界に誇る建築家たちの作品です。
隈研吾氏

小さなユニット(木材など)を幾重にも積み重ねることで、粒子のような繊細な層を作り出し、周囲の環境に溶け込ませる手法が特徴的です。
藤本壮介氏

「森」や「雲」のように、明確な境界を持たない層の重なりを建築化し、多様な居場所を創出しています。
デザインのヒント
積層デザインにおいて最も重要なのは「影」のコントロールです。層と層の間に生まれるわずかな隙間や段差が、建築に深い彫りを刻み、立体感を強調します。
まとめ
現在の建築において、積層は単なる「形状」の表現だけではなく、「環境との共生」を表現する手段となっています。緑化された層を積み重ねることで都市のヒートアイランド現象を抑制したり、多世代が重なり合って暮らすコミュニティを形成したりと、その可能性は広がり続けています。
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one archi
現在の主な作業
一級建築士試験に一発合格し、組織設計事務所にて主に学校、公民館、道の駅、発電所等の幅広い用途の公共建築物の設計を行なっている。
自己紹介
芸術学部建築学科を卒業後、ハウスメーカーメーカーにて住宅の設計販売に携わる。一級建築士事務所開設を夢に、ハウスメーカーを退職し資格学校へ通うが、そこで現職場の先輩にスカウトされ組織設計事務所に所属する事になる。一級建築士の他に、インテリアプランナー、建築積算士、casbee評価員の有資格者である。2020年、実務経験と建築知識を活かして建築系のWEBライターとして始動。
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