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【建築士つぶやく】「見切り」デザインの効果と実例集

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隠し味、見切りの効果

天井と壁の見切りを排除した美しい空間です!

建築に使われる材にこだわり、家具にもこだわり、照明器具にもこだわりを持って空間を作り上げても、見切りのデザインが悪ければ全て台無しになるほど、見切りは非常に重要なファクターとなります。

料理で例えると、いい材料揃えているのに、最後の隠し味に手を抜いてしまうパターン。残念ですよね。

逆に、隠し味の調味料にこだわり手作りで作れば、多少使う材料がよくなくても美味しくなることがあるように、建築材料が普通のもので作り上げても見切りを丁寧にデザインすることで、美しい空間を作り上げることも可能となります。

インテリアに限って「見切り」を見ても、天井と壁面、腰壁と壁面、壁面と床面、壁面とサッシ、洗面などの衛生器具と壁面など、見切りは多岐に渡り必要とされています。

この見切りのデザイン手法により空間の良し悪しに大きく影響してきますので、見切りの効果について実例を交えて解説してしていきます。

隠し味見切りの3つのポイント
①天井と壁面の見せ方を操る
②室内外の関係性を操る
③用途と兼ねる見切り


天井と壁面の見せ方を操る

天井が美しい木目でデザインされ、通路から居間までの連続性と広がりを感じさせるため、壁との見切りについては、壁面を天井に当たる直前の少し控えた所で凹ませ、天井材が壁面に差し込まれているように見切りをデザインしています。

こうすることで、リビング、ダイニング、通路まで一枚の天井面で連続し、壁面で区切ってはいるものの広がり感のある雰囲気が実現します。

煉瓦壁面を強調させて、煉瓦が積み上がっていく堅牢な感じを出したインテリアです。

この例では、壁面に素材感のある煉瓦が使用され、煉瓦のもつ味わいを最大限に活かすため、天井面を煉瓦に当たる直前の少し控えた所で凹ませ、壁面が上に続いているように見せるよう見切りをデザインでしています。

壁面煉瓦の温かみや堅牢感を最大限活かしたインテリアになります。

②室内外の関係性を操る

・外部空間と一体的なリビング

室外の軒天井から室内へつながり、外部空間を室内に取り入れ開放感溢れるリビングとするため、室内外の天井レベルを合わせ、ガラスのみで区切られているように見せる様、見切りを最低限の建具枠のみとし、建具枠の見えかかり寸法も極限まで小さくデザインすることで、室内外が美しくつながります。

・空の存在感を感じさせる天井面

壁面と天井面の隙間を多く確保し、空いた隙間から外部の採光を壁に沿わせ取り入れてる手法で、壁面が空に抜けていく感じと天井面が浮いているような感覚で空とのつながりを感じられる空間となります。

天井のスリットが空いている方に目を奪われますが、反対側の見切り部分にも工夫が施されています。それは、壁面と天井面の間に影ができる見切りデザインとし、さらに天井面の浮遊感を高めています。 

③用途と兼ねる見切り

・構造体とサッシ枠と兼ねる

構造柱とサッシ枠を兼ね、サッシの存在を消し外部とのつながりを強めるデザインとなっています。また、柱に合わせ天井ルーバーピッチにも変化を与え単調とならない軽快なデザインになります。

・建具枠と排水側溝を兼ねる

建具枠と排水側溝を兼ねたデザインで、排水側溝がないよう見えますので生活感がなく、幻想的なお風呂の雰囲気がよく感じられる空間となっています。

・カーテンボックスと天井見切りを兼ねる

天井面とサッシの上端レベルを合わせ、壁面全面のガラスとし、開放感を高めます。そのため、ロールスクリーンをあげているときに全面ガラスの意匠の邪魔にならないようカーテンボックスを天井内に折り上げます。そうすることで開放感あるガラス面が成立しています。

美しい見切りデザイン実例3

壁面と天井面の見切りとなる部分を通路幅と同じ寸法で大きく設定し、その他の天井面から少し下げたレベルで、壁面とも少し浮かした位置とすることで、通路部分の天井が浮いているように見えます

壁、天井が同じ木目デザインで通路部分の下がった天井がうまく空間を見切っています。この隠し味がなければ、こんなスッキリした空間にはなっていなかったでしょう。

壁面も天井面も所々孔が空いていて、外に直接つながっているように見えます。壁面の開口部については、RC打放しに直接ガラスを嵌め込み、枠なしの見切りとなっています。

また天井面に空いた孔についても、枠や見切り材がなく、そのまま孔が空いたように見えるデザインでスッキリしています。この見切りの隠し味で、空間全体の森のイメージを美しく表現できています。

この事例では、天井面を外部まで連続する見切りがないデザインとし、大きな容積のある空間をおおらかに包んでいます。

また、大きすぎる容積の中でも落ち着いた雰囲気を出すために、高い壁面を中間部分で大きく見切っています。この見切りがあることで、空間の重心を下げ、落ち着いた雰囲気になっていると考えられます。

まとめ

見切りは建築空間の中では、存在感がない部位ではありますが、その空間に広がり感や落ち着き感など、感覚的に与える影響が大きい隠し味的な存在です。

今回はインテリアに限って紹介しましたが、外観やエクステリアに関しても同じようなことが言えます。

是非、美しい建築を見つけたとき、見切りがどのようにデザインされているかを見て考察してみてはいかがでしょうか。見切りのデザインが隠れん坊しています。面白い発見があるかもしれません。

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