透過するマテリアルと反射するマテリアルと聞くとまずはガラスを思い浮かべますが、ガラスが登場する前から、日本の建築には透過と反射するマテリアルが使われることがありました。それは、木製縦格子や障子などです。緩やかに空間を透過し外部の光や風を室内に取り込む工夫が施されています。
また、建物周囲に水盤を設け温熱環境を整えるだけでなく光の反射による採光を確保する方法など、透過と反射を上手く工夫し建物内部を豊かな空間にしようとされてきました。現在では、自然素材の木や水だけでなくアルミやガラスなど様々なマテリアルで建築が造られていますが、透過と反射するマテリアルの使い方は、古くからの手法が今でも活かされています。
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透過するマテリアルで緩やかに空間を区切る
古くからある木製格子は、外部からの侵入を防ぐ防犯的な役割と、開口部から外部の光や風を室内に取り込む役割の相反する条件に対して緩やかに空間を区切ってきました。現在では、ガラスや金属などの技術が発達し外部と内部を明確に区切ることが可能となりましたが、木製格子のような緩やかに空間を区切ることで透過した光が絞られ、直接的に入る光に比べて優しく感じられます。この透過する光や影の操作によって、内部の空間は非常に豊かな表情になることがあります。
この透過させるマテリアルは木製格子だけでなく、アルミに穴を無数に開けたデザインパネルや、レンガを透かしながら積み上げることで造ることも可能で、これら透過するマテリアルで緩やかに空間が区切られた内部空間には、アルミやレンガを透過した優しい光が入ってきます。
反射することで空間が広く豊かに感じられる
水盤を建築の周囲に計画し、光を反射させ採光を得る以外にも、水盤に空や周囲の環境を写すことで空間に広がりが感じられ、より美しく見えます。自然界からの木や石や土などの素材で造られる日本の建築は、なかなか周りの修景を反射させるほどの素材はありませんが、経年により磨かれた木の床面に自然の修景が映りこむ風景もあります。
日本は四季豊かな国で、外部の植栽の色彩が非常に豊かです。畳などの反射率の低いまてりあるであっても、外部の彩られた光は映り込み内部の空間まで豊かな表情となります。
この反射するマテリアルの使い方は、現在ではアルミやステンレスを使って外部、内部にも活用されています。
外部では、アルミを使って空や修景を写しだし、内部では天井に反射率の高いアルミやステンレスを使用することで、空間に広がりと変化を与え面白い空間に演出されています。
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one archi
現在の主な作業
一級建築士試験に一発合格し、組織設計事務所にて主に学校、公民館、道の駅、発電所等の幅広い用途の公共建築物の設計を行なっている。
自己紹介
芸術学部建築学科を卒業後、ハウスメーカーメーカーにて住宅の設計販売に携わる。一級建築士事務所開設を夢に、ハウスメーカーを退職し資格学校へ通うが、そこで現職場の先輩にスカウトされ組織設計事務所に所属する事になる。一級建築士の他に、インテリアプランナー、建築積算士、casbee評価員の有資格者である。2020年、実務経験と建築知識を活かして建築系のWEBライターとして始動。
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