トラス構造は、大きな倉庫や工場などの生産施設系でよく使われてる大空間を形成するときに採用される工法ですが、無骨なかわいらしさに魅力を感じる時があります。
外観やインテリアのデザイン的な観点から、一般的には梁の高さは出来る限り低く抑えてスマートにするよう計画するものですが、トラス構造の場合はかなり大きな梁の高さとなります。そのかわり、部材1つ1つが小さく鉄骨部材の数量がすくなくなり経済的になります。現代では、それらの特性を活かして梁だけでなく耐震壁としてデザインする事例もでてきています。
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トラス構造とは
柱や梁などの構造部材を三角形でつなぎ合わることで、部材に働く力が非常にシンプルになる構造形式です。三角形は四角形に比べて上や横からの力が加わったときに変形しにくいことがイメージできるかと思います。構造力学的に効率的な形状でもあります。この効率的な構造形式により、スレンダーな部材で三角形の連続体をデザインとして用いられることもあります。
トラス構造のメリット、デメリット
トラス構造のメリットは、構造力学上効率的なスレンダーな部材で大空間を形成できるところです。例えば、体育館や工場などの大スパンを通常の鉄骨梁で形成しようとすると、梁の部材はかなり大きなものとなり、圧迫感につながります。一方トラスで形成すると、部材一つ一つがスレンダーで軽快なプロポーションで大空間を形成することができます。また、部材一つ一つが小さいため、鉄骨部材数量が少なくすみ経済性の高い建物となります。
トラス構造のデメリットは、部材一つ一つは小さくで済みますが、三角形を構成する必要があるため、通常の鉄骨梁にくらべて梁高さ寸法がかなり大きくなります。よって、同じ大空間を構成する場合は建物全体高さはトラス構造の方が大きくなってしまいます。また、部材一つ一つ三角形を組み合わせていく必要があるため、施工性がよくないという点が挙げられます。
トラス構造の美しい事例
トラス構造の代表例としては、東京タワーや東京スカイツリーが挙げられます。
また、身近なところでは橋がトラス構造で造られている場合が多くあります。スカイツリーや梁はかなり大きな構造物となるので、構造力学上効率のよいトラス構造が採用されることになります。これだけ大きな構造物にもかかわらず、ひとつひとつスレンダーな部材で構成され、三角形の連続が圧巻です。見た目のデザイン性から導かれたものではなく、構造力学上最も効率的なところから導かれた形であるところが魅力的でもあります。
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one archi
現在の主な作業
一級建築士試験に一発合格し、組織設計事務所にて主に学校、公民館、道の駅、発電所等の幅広い用途の公共建築物の設計を行なっている。
自己紹介
芸術学部建築学科を卒業後、ハウスメーカーメーカーにて住宅の設計販売に携わる。一級建築士事務所開設を夢に、ハウスメーカーを退職し資格学校へ通うが、そこで現職場の先輩にスカウトされ組織設計事務所に所属する事になる。一級建築士の他に、インテリアプランナー、建築積算士、casbee評価員の有資格者である。2020年、実務経験と建築知識を活かして建築系のWEBライターとして始動。
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