どこか軽やかで宙に浮いているような感覚の建築は、より魅力的に見える時があります。建築家たちは「浮遊感」という言葉を使って表現しますが、一般的にはめまいなどの病状がある時につかわれる言葉でもあるようです。浮遊感を狙った建築は世に沢山存在していて、建築家はそれを狙ってディテールを決めているように思います。
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浮遊感を狙う理由
建築家が浮遊感を狙ってディテールを決める理由は、以下の3つではないでしょうか。
- 重力に反するスピリチュアル
- 視覚的な印象や心理的効果を狙ったもの
- 美学の表現
重量に反するスピリチュアル
宗教的な意識の中には、その多くに天空を聖なるものとして崇める表現が沢山あります。重力に反するディテールにより、天空に近づくイメージを表現しているものと考えることが出来ます。
視覚的な印象や心理的な効果を狙ったもの
浮遊感の感じられる建築は、重量のある日常的な風景からは違和感があり、視覚的な特別感を与えることができます。また、浮遊感によって得られる天空へ向かうイメージなどの心理的な効果を狙って建築家たちはディテールを検討しているものと考えられます。
美学の表現
建築は、機能的で安全で美しいことと考えられます。これは、古代ローマ時代の建築家ヴィトルヴィウスから提唱される建築の3大要素『用・強・美』の考え方から導かれています。機能性・強度・美しさのこの3つはどれ1つも欠けないようにする必要があり、美しさを表現する1つの手法に浮遊感のあるディテールが採用されます。
浮遊感を使った例
① コンクリート壁面の浮遊感
重量のあるコンクリートを浮かし特別感をかんじさせています。足元を透かすディテールにより、コンクリートの壁面が浮いているように見えます。
② 軽快な階段
壁面からキャンチレバーにより、先端が浮いているように見える階段です。しかも鉄骨やコンクリートではなく、強度のつよくない木材が浮いているように見えるディテールはより特別感が感じられます。
③ 建物自体が地面から浮いているように見える
足元に影ができるディテールにより、建物自体が地面から切り放され宙に浮いているような印象を与えます。これは、1階の2階の間でも同じようなディテールとすることで2階以上に浮遊感を持たせることができ、特別感を与えることができます。
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one archi
現在の主な作業
一級建築士試験に一発合格し、組織設計事務所にて主に学校、公民館、道の駅、発電所等の幅広い用途の公共建築物の設計を行なっている。
自己紹介
芸術学部建築学科を卒業後、ハウスメーカーメーカーにて住宅の設計販売に携わる。一級建築士事務所開設を夢に、ハウスメーカーを退職し資格学校へ通うが、そこで現職場の先輩にスカウトされ組織設計事務所に所属する事になる。一級建築士の他に、インテリアプランナー、建築積算士、casbee評価員の有資格者である。2020年、実務経験と建築知識を活かして建築系のWEBライターとして始動。
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