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【建築士つぶやく】坪庭は鑑賞用でなく、住環境、防犯面、プライバシーにも配慮されている

図面制作スタッフ

住宅の坪庭は、小さい空間ながらも建物全体に大きな産物を与えてくれます。

それは、特に住環境で重要となる採光と換気の他に防犯面やプライバシーへの配慮にも有効に働いてくれることがあります。坪庭がつくられたルーツをたどると、それら住環境や防犯面への配慮から造られていることが分かります。

 

この坪庭の考え方を知ることで、単に観賞用の小さな庭として利用するのではなく、建物全体にいい作用をもたらす効率的な坪庭とすることが出来ます。

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坪庭のルーツから導き出される防犯性とプライバーへの配慮

坪庭のルーツは、道路に対して間口が狭く、奥行きの長い敷地形状に建つ町家が発症と言われています。町家は、応仁の乱以降に発展してきた建物で、自衛の必要性から道路に対して閉じた建築様式となっています。

具体的には、道路に面する開口部は全て格子で覆われ、容易に侵入出来ない構造となっています。これは、格子を覆うことで防犯性能が向上することと、中の様子が分かりにくくすることで家族のプライバシーにも配慮できる日本の住環境に適した形式でした。ただし、間口の狭い道路に対してすべて閉じた形式とすると、家の中まで光や風が届かないことになります。

そこで、家の中に光や風を届ける工夫として利用されたのが坪庭でした。

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坪庭のもたらす光や風の住環境へのメリット

一般庶民の町家では、限られた敷地の中で、大きな中庭を確保することは難しかったと思われます。そんな条件下でも、最低限の外部の光や風を取り込むには、1坪(1.8m×1.8m)程度の小さな庭で十分あったことが実証されています。

また、日本の詫び錆の美意識を坪庭に取り入れることで、単に光や風の恩恵をうけるだけでなく、四季を通じて美しく豊かな空間が建物全体に広がっていきます。

坪庭ならでは光の取り入れ方

坪庭は、塀や建物で囲われ空に対して大きく開けた構造となっていることが特徴です。

道路や隣地に対して窓を設けると、プライバシーへの配慮から障子やカーテンなどが必要となり、結局十分な外光を取り込むことが出来ないことがあります。坪庭に関しては、塀や建物で囲われ空に対して開いているだけの空間であるため、障子やカーテンを開け放してもプライバシーが守られるため、思いっきり開けることができます。

坪庭の小さな空間に植物を配置することで、プライバシーに配慮しながら、一年を通じて室内でも四季を感じられる豊かな空間となります。

坪庭ならでは自然風の取り入れ方

自然風の取り入れ方についても、坪庭の狭い空間が大きく寄与しています。狭く囲われた空間は、煙突効果により、暑い夏場は室内の空気を坪庭に引き寄せ、坪庭上空へ排出させる構造となっています。また、普段は坪庭に植えられる植物の光合成により、新鮮な自然空気を建物全体へ循環させる役割を果たしています。

煙突効果とは

煙突効果とは、煙突の中に外気より高温の空気がある時に、高温の空気は低温の空気より密度が低いため煙突内の空気に浮力が生じる結果、煙突下部の空気取り入れ口から外部の冷たい空気を煙突に引き入れながら暖かい空気が上昇する現象を生みやすい構造である。

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坪庭は、住環境・防犯面・プライバシーに配慮された先人の知恵の結晶

今や坪庭は、建物の見せ場となる玄関やリビングの一角に造られ、鑑賞用として利用されていることがありますが、光の取り入れ方、自然風の取り入れ方を先人の知恵の恩恵をうけることで、四季を通じてもっと豊かな空間が実現します。また、光や風などの住環境を坪庭により確保することで、道路に対して閉じることが出来ます。道路に対して閉じることで出来れば、防犯面、プライバシーに配慮した建物となります。

先人の知恵の結晶である坪庭をうまく利用することで、光や風の住環境・防犯面・プライバシーに配慮された住居を実現することが可能となります。

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ニックネーム
one archi

現在の主な作業
一級建築士試験に一発合格し、組織設計事務所にて主に学校、公民館、道の駅、発電所等の幅広い用途の公共建築物の設計を行なっている。

自己紹介
芸術学部建築学科を卒業後、ハウスメーカーメーカーにて住宅の設計販売に携わる。一級建築士事務所開設を夢に、ハウスメーカーを退職し資格学校へ通うが、そこで現職場の先輩にスカウトされ組織設計事務所に所属する事になる。一級建築士の他に、インテリアプランナー、建築積算士、casbee評価員の有資格者である。2020年、実務経験と建築知識を活かして建築系のWEBライターとして始動。

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