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【建築士つぶやく】上質なトイレのインテリアデザイン実例集

図面制作スタッフ

ホテルや商業施設等では、上質でおしゃれなトイレが多く、トイレに入った時に気分が上がりますよね。

ホテルや商業施設では今やトイレは営業ツールの一部で、トイレが綺麗だとリピーターが増える事がありますので、トイレのインテリアデザインには特に気を使って設計を行なっています。住宅についても、その流れを受け、拘って空間をデザインする方向になりつつあるのではないでしょうか。トイレは、建築全体の中では小さな空間です。拘った素材を使ったとしても、建築全体のボリュームからすれば、コスト的なインパクトは小さいですが、見た目的なインパクトはかなり大きくなります。トイレ空間を拘って作ることは、見た目をよくする為のコストパフォーマンスが非常に優れている場所です。

トイレに限らず、インテリアには、お好みテイストが沢山ありますが、どんなテイストであっても、上質なトイレ空間となるポイントをいくつか紹介したいと思います。

 

 

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照明をこだわる

必要照度

住宅のトイレは、一般的には1畳にも満たない小さなスペースですので、必要照度を確保するための照明はダウンライト1個で十分な広さとなります。

 

また、トイレの必要照度についてはJIS照明基準では75ルクス以上とあります。75ルクスはそれ程明るくないですが、トイレは薄暗いぐらいが雰囲気があって良いと思いますので、それよりやや暗めの50ルクスから75ルクス程度を目指して設計するのがお勧めです。

テストによって、ポップなイメージを出したい時は、逆にあえて照度をあげてデザインするとイメージが一気に変わります。75ルクスを基準において、考えるのがコツです。

色温度

次に色温度ですが、これは好みの問題もありますが、事務系や作業系で使われる白い色温度5000ケルビンは落ち着かないと思います。出来れば、暖かみのある3000ケルビン以下の色温度をお勧めします。

照明を選ぶ際は、この照度と色温度が非常に空間へのインパクトが大きいので重要視する必要があります。

トイレの場合は、落ち着いた雰囲気としたいので、照度は50ルクスから75ルクス程度、色温度は3000ケルビン以下ぐらいが丁度いい感じかと思います。ただし、照明器具によっては、照度分布に偏りがでる場合があります。例えばピンスポット照明であれば、スポット的に当たっている部分は100ルクスを超えるところがありますが、それ以外は50ルクスにも満たない場合もあります。あえてその様な照度分布に偏りを持たせて雰囲気を出す場合もあります。

小さなお子様が使うトイレ

あと気をつけておきたい所は、小さなお子様がいる家庭です。お子様の便の色を確認したり、お子様が小さい間は上手く用を足すことができず、周りを汚してしまうことが多々あります。その場合は思いがけない所まで掃除する必要が出てきますので、掃除用の照度と色温度が必要となります。

掃除用であれば、100ルクス以上5000ケルビンが望ましいです。

大人だけであれば、毎日の床掃除ぐらいですので、それほど照度は必要になりませんが、小さなお子様がいる場合は、それらも踏まえた上での照度・色温度設定を考慮する必要があります。スマホのライトで照らすと割り切り、雰囲気重視を選択することもありだと思いますので、そのトイレを使われる皆さん合意の上で決めれば良いかと思います。

間接照明

トイレは照度が低くても大きな問題はないので、間接照明には適した空間です。

間接照明は光源(直接的に光る部分)が隠れているため、使用電力の割に、照度は非常に低くなります。コストと照度の関係性ではコストパフォーマンスは低いですが、それ以上に空間に与えるインパクトは非常に大きく、照度と雰囲気の関係性ではパフォーマンスは非常に良い関係性となります。

間接照明は光源を隠して、壁面や天井面に一旦光をあて、その反射で空間を照らすことになりますので、その光源を隠す建築的な工夫が必要となります。光源が隠れてしまえば、空間からデザイン要素が一つなくなるわけですから、非常にスッキリします。

 

 

トイレは、小さな空間の中で、非常に沢山のデザイン要素が存在します。壁仕上げ、天井仕上げ、床仕上げ、便器、収納棚、紙巻き器、鏡、換気扇、照明等々です。出来る限りそれらのごちゃごちゃ要素は統一したデザインで、スッキリさせたい所ですので、要素を一つなくすことが出来れば、空間への貢献度は非常に高いと言えます。

間接照明の効果

また、間接照明にすることで光が直接的ではなく、反射された光で柔らかく、優しくなります。小さな空間を柔らかく優しい光で包まれると間接照明の効果も倍増します。人は、壁と壁、天井と壁等の隅を認識することで、空間の広さを判断しています。壁と壁、壁と天井の境目を間接照明で曖昧にすることで、心理的に誤認識してしまい実空間以上の広がりを感じさせることができます。トイレだけに限る話ではないですが、トイレは特に小さな空間ですので、効果は非常に高いものとなります。

魅せる照明

トイレの狭さを活かして、魅せる照明を吊り下げたり、棚に置いたりすることも非常に効果的です。人がその空間に座った時に、壁面がこんなに近くにある場面はトイレ以外にありません。好みのテイストの問題もあるかもしれませんが、壁面を、光と影で演出が出来るのは、このトイレの空間だけですので使う手はないかと思います。照明器具に模様が施されているものであれば、その壁面に模様が映り込みます。

また、壁仕上げが左官やレンガ等の凹凸のある仕上げ面であれば、その仕上感も強調されることになります。
 

内装仕上げをこだわる

壁・天井仕上げ

冒頭でも記述しましたが、トイレ面積は建築全体に占める割合が少ないため、壁天井面の仕上げ素材をやや割高な材料を選択しても、全体的なコストに与える影響が少ないことが特徴です。

 

リビングやその他居室では、なかなか選択できなかった素材を選択することが可能となるのがトイレです。経済性を優先すれば、壁天井仕上げは石膏ボードにクロスを貼るのが一般的です。

クロスの特徴
クロスはデザインも非常に沢山ある中から選択できます。また、抗菌性や防臭機能、汚れ防止機能等様々な機能を付加することが可能な仕上げ材で、非常に便利で間違いのないアイテムです。

しかし、ホテルや商業施設(一部のテナント店舗等は除く)での上質なトイレ空間はクロス仕上げはあまり使われません。それは、空間の質を高めることを意図しているとこが大きいと考えられます。

クロスでは、左官調、木目調、メタル調、打放し風等があり、見た目はよく出来ていると思われますが、それら素材は本物のもつ雰囲気までには達することは出来ません。

クロスに比べ、それら本物の素材はやや割高となりますが、トイレの小さい空間では特に近くで感じられますので、非常に費用対効果は高いものと考えられます。建築全体としてのデザインの統一性も重要ですが、トイレはキッチンのような他の空間と一体的になる室ではありません。基本的にはその他の室と完全に区切られた室となりますので、トイレだけを素材を変える等のデザイン操作は比較的ハードルは低くなると考えられます。

 

床仕上げ

トイレの床仕上げについては、タイル、石、フローリング、コルク、塩ビシート等が考えられますが、壁天井仕上げと同様にその他の室との連続性はそれほど重要視するところではない為、比較的自由に決めることができます。

 

 

照明の所でも記述したように、小さなお子様がいるご家庭であれば、掃除のしやすさから選択肢が絞られてきますので、「耐水性」と「目地の有無」が重要かと思われます。

「耐水性」
フローリングはその他材に比べ水に弱い性質がありますが、それ以外のタイル、石、コルク、塩ビシートは耐水性が高い素材となります。
「目地の有無」
タイル、石、フローリング、コルクは必ず目地があります。(トイレ床面一枚物の石があれば別ですが)塩ビシートであれば、シート状の材料を継ぎ目なしで施工することも可能ですので、目地が出てきません。

よって、「耐水性」と「目地の有無」から考える掃除のしやすさでは「塩ビシート」一択となります。恐らく戸建て住宅、マンションの9割以上は塩ビシートではないかと思われます。

こうした理由から「塩ビシート」は非常に普及している床材なので、違う素材を採用するだけで一般的なイメージとはかけ離れた特殊感を演出することができます。

あとは、壁・天井の材との相性を見ながらデザインをまとめると一気に異次元の上質なトイレ空間を実現することができます。

 

まとめ

トイレは空間のその小ささ、用途上の独立された空間の特性から、他の室でのインテリアデザイン要素の影響を受けにくい所です。また、建築全体の中ではコスト的な影響も受けにくい所です。昔は、汚い臭い暗いイメージでしたが、今は寛ぎ感や癒し感が求められています。また、建築を最も近くに感じられる場でもありますので、衛生器具だけでなく、照明や素材にも拘ってデザインしていきたいところです。

 

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ニックネーム
one archi

現在の主な作業
一級建築士試験に一発合格し、組織設計事務所にて主に学校、公民館、道の駅、発電所等の幅広い用途の公共建築物の設計を行なっている。

自己紹介
芸術学部建築学科を卒業後、ハウスメーカーメーカーにて住宅の設計販売に携わる。一級建築士事務所開設を夢に、ハウスメーカーを退職し資格学校へ通うが、そこで現職場の先輩にスカウトされ組織設計事務所に所属する事になる。一級建築士の他に、インテリアプランナー、建築積算士、casbee評価員の有資格者である。2020年、実務経験と建築知識を活かして建築系のWEBライターとして始動。

 

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