読み方は「かなばかりず」と読みます。普通、建築に馴染みのない人は読めないのではないのでしょうか?「矩計図」とは最も重要な平面図の部分を垂直(タテ)に切断した断面詳細図です。建物の高さ方向の寸法や採用された材料の情報がつまっている図面です。縮尺は1/20~1/50程度で書かれることが多いです。矩計図の役割について説明していきます。
※このサイトは広告が含まれております。リンク先の他社サイトにてお買い求めの商品、サービス等について一切の責任を負いません。
矩計図の役割
矩計図は、平面詳細図と同様に断面に見えるものがすべて書かれています。
また、建物の最高高さの部分から基礎下端の部分までの寸法が記載されており、建物の高さ方向の寸法が詳細に記されています。
矩計図には躯体(コンクリートや鉄骨、木下地)等の材料の厚み、仕上げ材の厚み、断熱材の厚み、躯体と仕上げとの取合い、躯体から仕上げまでの寸法、納まり方、各室の取合い部分の床や壁の納まり等々、本当に詳細に記されています。
建築主とのやり取りというよりはどちらかというと施工業者とのトラブルを防ぐため、設計の情報をより丁寧に伝達するために書かれるのではないでしょうか?
特に、建物の床のレベルを各室フラットにするためには各室の仕上げ材の床のレベルを同一にする必要があるので、材料の厚みや仕上げ代を調整して床レベルを合わせます。
例えば、和室の畳と洋室のフローリングを合わせたり、フローリングとクッションフロアや塩ビシートを合わせたりする際に、仕上げの厚み+下地の寸法もそれぞれ仕上げ材に応じて調整する必要があるのです。
また、床に床暖房設備を配置する際にも、床暖房がある箇所とない箇所で仕上げが違います。よって、施工時の納める際のポイントになる部分であるため、設計者の思いをより明確に伝えるためにあります。
より丁寧に、詳細に情報を記載することでその建物のグレードがわかることもこの矩計図の役割の一つです。
例えば断熱材の厚みがわかることでその建物の断熱性能がわかりますし、床のコンクリートの厚みや鉄骨の太さがわかることで構造的に有利な建物とわかります。また、床フローリングの厚みが違うことで強度や贅沢さもわかります。
このように建物のグレードもある程度矩計図を見ることでわかるのです。
まとめ
以上 矩計図には様々な情報がつまっているのです。
図面22種類の特徴・読み方
※タップで各カテゴリページが開きます。
人気記事建築図面22種類|その内容と見方をわかりやすく解説
人気記事間取図12種類の定義・特徴を解説!【1R~4LDKタイプまで】