建物を竣工した際に建主は竣工図書の一部として竣工図を受領します。計画段階で確認申請として作成した設計図は、打合せや工事を進めていくにつれ変更がかけられていき、元の設計図とはかなり変わっている場合が多いです。そのため竣工時に完成形としての図面が必要です。竣工図とはそのような完成形の形で今後の建物の保守管理を確実にしていくためのものだといえます。これらを表現した竣工図とはどのようなものなのでしょうか?
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竣工図で表現されるもの
竣工図で表現されるものは一言で言いうと「全部」です。全ての図面の完成の形が竣工図です。
- 建築 意匠図
- 建築 構造図
- 電気設備図 照明、コンセント、自動火災報知設備
- 機械設備図
1)給排水衛生設備図
2)空調設備図 etc.
全ての図面の完成形が必要です。
竣工図の役割
仕事柄、竣工図を見ることが多いのですが、結構現場と違っていることが多いです。現場と図面の相違がある場合、保守管理する上で困ることが多いです。例えば、給気や排気があるはずの場所になかったり、照明の配線系統が違っていたり、そもそもの建具の配置の寸法が微妙にちがっていたりとか。そういうことが発生すると、保守管理する立場であれば何を信じて良いかわからなくなり結果、現場を調査するしかありません。そこには人の手間と時間がかかっており最悪は調査費という形で費用が発生するのです。
竣工図の役割とは、竣工後建物の維持管理をする上でその図面をみれば建物の現状が全て把握できうるものとして保存されておくべきものなのです。また、建物の持ち主として建物自体を売買する際に竣工図が正確に残っていれば売買費用の見積の精度が上がります。売買自体がスムーズにいく場合もあります。このように竣工図は正確であればあるほど将来的にもやさしいものであるといえるでしょう。逆にそれは正確でなくてはならないのです。
図面22種類の特徴・読み方
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