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設計図とは何か?その役割を一級建築士がわかりやすく解説

図面の種類 設計図とは 図面の種類

設計図とは一体何なのでしょうか?設計図にはどんな役割があるのでしょうか?また、理想的な設計図とはどういったものでしょうか?建物を建てる時には必ず「設計図」が必要になります。しかし、ひとくちに「設計図」と言っても様々な意味や役割があります。以下に設計図の性質や役割、理想的な設計図について具体的に説明していきます。

 

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法律としての設計図

「建築基準法」には以下のように記されています。

14. 設計図書(法第2条第十二号)
十二 設計図書 建築物、その敷地又は第88条第1項から第3項までに規定する工作物に関する工事用の図面(現寸図その他これに類するものを除く。)及び仕様書をいう。

工事用の図面(設計図面)や仕様書をいい、現寸図は含まれない。

つまり、法的な位置づけとしては「建築物」「その敷地」「様々な工作物」に関する工事用の図面を言います。

上記より、工事用の図面であることでどちらかというと工事業者とやりとりして建築物等を造りこんでいくための図面であるような記載がされています。(個人の勝手な解釈です。)

ここでいう設計図とはあくまで法的に、確認申請で使用するための図面であることがわかります。

建築基準法その他法的に遵守している図面である必要があるということから、「確認申請図」のことを示すのではないのでしょうか?

なので、設計図としてのある一部分の性質を表しています。

基本設計図と実施設計図

設計は大きく基本設計実施設計に分けられます。

基本設計とは施主の要望に沿って建物の立地条件、配置や間取りプラン、建築面積、延べ床面積、高さ、等を決めていく重要な過程になります。ここで十分に時間をかけて施主に納得していただくようにします。

工事金額の概算見積もりもこの段階に作成し、工事契約の手前の段階までを基本設計にて進めます。以上の作業を進めていく上で「基本設計図」は重要な図面であることがわかります。

「基本設計図」サンプル1

「基本設計図」サンプル2

「基本設計図」サンプル3

「基本設計図」サンプル4

「基本設計図」サンプル5

「基本設計図」サンプル6

実施設計は基本設計で決められたことを基に詳細を決めていきます。そのために作成するのが実施設計図です。

「実施設計」の段階で矩計図、各部詳細図、展開図、建具表、天井伏図等々の詳細が作成され、窓の詳細の位置、仕様、仕上の材料はどうするか、どこに扉を配置するか、造作家具をどうするか、さらに構造でいえば各階の伏図、軸組図、設備では電気図、給排水衛生図、空調設備図が作成されていきます。

より詳細が決められていくので、工事金額にも増減があるかどうかの判断がついてきます。増減があれば変更契約を行うのもこの段階です。

このように施主の細かい要望を決めるために「実施設計図」があります。工事契約図や確認申請図が実施設計図と同じくくりになっているのもこのためです。

設計図の役割とは

施主の要望通りであること

設計者が建物を建てる時に計画する段階で作図する図面であり、建物を建てるために必要な情報をすべて網羅した図面であるといえます。設計図には様々は役割があります。

まず前提として、建物は施主の要望通りに建築する必要があります。設計者のためにあるものではないということです。個人としても住宅を建てる、購入するということは一生に一度あるかないかの大きな買い物です。

私も実際、「家を買う」時はとても慎重に比較し、返済計画を検討し、勇気と覚悟を持って決断しました。

そのため設計者のエゴで設計された設計図はNGであるということです。施主個人の要望を丁寧にヒアリングしたうえで施主のためのプランを作成するのです。また、同時に施主に分かりやすい図面であるということです。

設計図をもって建物のプラン及び仕様を施主に理解してもらい施主がイメージしやすいものでないと意味がありません。設計図を使って打合せをし一つ一つ確認しながら施主の思い描く建物を建築するために設計図はあるのです。

施工業者に分かりやすく建築しやすい図面になっていること

実際、工事現場で設計者が建物をたてるわけではありません。

建てるのは施工業者です。そこには基礎工事をする土工、左官工、鉄筋工、ポンプ工大工、外壁仕上業者、内装仕上業者、電気工、給排水衛生設備工、空調工、ガス屋さん、外構工事業者等々思いつくだけでもかなりの工事業者が関わっています。

そのために設計図は意匠、構造、設備と用途に別れさらに細分化されているのです。

なので細分化されていてかつ、わかりやすく表現されている必要があります。

設計図をさらに細分化

下図のように設計図は細分化され役割分担されているのです。

建物が合法的に建築できること

どれだけ優れた建物であったとしても、法律上、違法であっては建築物として成立しません。つまり、建物を合法的に建てるために確認検査機関や諸官庁に申請し認定される必要があるということです。

そのために作成する設計図が「確認申請図」です。この確認申請図で建物が合法的に成立するかどうか判断されます。よって、設計図は建物が合法的であるという証の役割を担っています。

以上。設計図とは一体何か、何故必要かご理解いただけましたでしょうか?

設計図が不適切であると、建物も不適切になり、工事業者にも理解されにくく工事が適切に行われなかったりして施工不良が発生します。結果的に施主に満足してもらえずトラブルの絶えない建物が出来上がるでしょう。

逆に言うと、設計図の精度が高いと工事業者にもわかりやすく、適切な工事が実施され、施主に喜ばれる理想の建物が出来上がるのです。

まとめ

  1. 設計図とは合法的に認められるために作成する「確認申請図」の役割を果たす。
  2. 設計図には基本設計図と実施設計図がある。 
  3. 設計図には建物を建てるために必要な情報をすべて網羅した図面である。
  4. 設計図は施主の思い描く建物を建築するための図面である。
  5. 設計図は施工業者にもわかりやすい図面である必要がある。

 

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