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建築士が教える!『住宅屋根』4種類の特徴・選び方のポイントとは?

外壁・屋根の雑学

住宅づくりで悩ましいのが屋根材です。必要不可欠なものですが、屋根材の種類に対して、どれが良いのかなかなか判断が難しいところです。色々な種類がありますが、どれも一長一短であり、これが一番と言い切るのが難しいことが、屋根材選びの悩ましいところです。プロも悩む住宅の屋根材について、種類と特徴、そして選び方のポイントをご紹介したいと思います。紹介を進めるに際して、屋根材は地域性が関係する場合もあります。例えば、豪雪地域や、塩害地域、風のある地域等では、屋根の素材や形状も特殊です。

今回は、そのような特殊事例ではなく、あくまで一般的な地域の内容として紹介します。

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主要な屋根材は4種類!

屋根材は、スレート屋根、陶器(粘土)屋根、アスファルトシングル、金属屋根の4つに大別できます。

スレート屋根

陶器屋根

アスファルトシングル

金属屋根

日本で一般的となっているのか、スレート屋根です。屋根は様々な比較すべき項目がありますが、その一般解がスレート屋根ということだと思います。

 

屋根材選びで重要なこと

屋根材の評価軸として、

・初期コスト
・耐用年数(耐久性)
・メンテナンス頻度

が挙げられます。建物を建てる費用の中で、屋根材も占める割合が高い為、重要な要素です。コストと機能のバランスで考えていく必要があります。

屋根にデザイン性は重要?

屋根の素材そのものにこだわっても、外観として意外と見えてきません。

もちろん完全に見えないわけではありませんが、素材そのもので選ぶよりも、断熱性や防水性、コストを重要視する場合が多いです。ですので、一概に値段が高いから良い屋根というわけではないということを知っておく必要があります。

以外と種類がある!?屋根の形状について

屋根の素材の紹介の前に、屋根の形状そのものについて紹介します。屋根は、雨や風から建物を守るわけですが、日々太陽に照らされ続けるので、建物で一番厳しい環境に置かれている素材でもあります。特に、雨については、屋根の素材だけでなく、屋根の形状による劣化も配慮する必要があります。複雑な形状になればなるほど、そうした部分から雨漏りが発生し易いものです。間取りを考える際に、実は屋根の形状も大きく影響しているのです。代表的な屋根を5つ紹介します。

切妻(きりつま)屋根

多くの住宅に採用されている屋根です。コストパフォーマンスに優れ、雨水が流れる方向も決まる為、使い勝手が良いです。デメリットをあえて挙げるのであれば、多くの住宅に採用されている為、家の個性を出しにくいという点でしょうか。また、屋根上に太陽光パネルの設置を考えている場合には、下がっている屋根の方位に気を付ける必要があります。

寄棟(よせむね)屋根

切妻屋根に対して、日射や雨の当たる方向を4方向へ向けている屋根です。その為、屋根にかかる雨や風の負担を分散させることが出来ます。また、台風等の突風に対しても4つの方向から受けることが可能な為、耐久性にとても優れているといえます。一方で、屋根の頂点となる、棟部分の形状は複雑になります。その分、屋根の構造としてのコストは高くなり、漏水のリスクも高まります。また、建物外周の全ての方向に、屋根の雨が落ちてきますので、建物廻りの計画にも注意が必要です。

片流れ(かたながれ)屋根

片流れ屋根は、構造もシンプルで、漏水の可能性が少なく、コストパフォーマンスに優れた屋根です。雨が落ちる面も一面のみですので、建物外観をシンプルにまとめやすくなります。一方で、屋根の一番高い部分と低い部分の距離が長ければ長いほど、高さの差が出てしまいます。切妻や寄棟屋根の住宅よりも、建物そのものの一番高い部分が、高くなりやすい建物ですので、広い間取り形状の住宅での採用は、注意が必要です。場所によって、建物の高さは決められている為、実現できない可能性があります。

入母屋(いりもや)屋根

切妻屋根と寄棟屋根を組み合わせたような屋根です。屋根裏部分に通気性を保つことが出来る為、多湿地域であるアジア全体で見受けられます。見た目でわかるように、屋根の形状は複雑になりますので、コストと雨漏りリスクは高い屋根形状となります。

陸(ろく)屋根

「ろくやね」と呼びます。今まで紹介した屋根形状に対して、屋根の傾きを持たない屋根です。傾きを持たない理由はシンプルで、屋根上も活用する場合の家です。例えば、屋上でガーデニング等の空間をつくることが可能となります。また、風を受ける面が殆どない為、風に対しても強い形状となります。一方で、屋根に勾配が無い為、雨や雪が溜まりやすい形状となります。マンションのルーフバルコニーが、一般的に簡単に体験できる陸屋根ですが、10年程度で防水工事を再度行う必要があります。メンテナンスを頻繁に行う必要があることが、最大のデメリットです。

注意が必要な屋根のポイント

実際の建物の屋根は、間取りの形状に合わせて、より複雑となり、イラストのようにシンプルにならない場合が通常です。漏水のリスクが高いのは、屋根の「谷」部分となります。屋根の「谷」には、雨水が集まる場所となり、細かい素材も必要となる為、漏水のリスクが高い部分となってしまいます。

 

4種類の屋根材の特徴、選び方のポイント

屋根の形状によっても、コストへの影響や漏水のリスク回避に繋がることが理解頂けたと思います。続いては、メインテーマとなる屋根材の紹介です。

スレート屋根

日本で最も人気のある屋根材です。人工スレート(化粧スレート)と天然スレートに大別できますが、人工スレート屋根が、人気な屋根材になります。

人工スレート(化粧スレート)

天然スレート

スレート屋根の特徴

人工スレート見た目としてとてもスッキリとしているので、デザイン性も高いと考えられますが、一番のメリットはコストパフォーマンスに優れている点です。セメント等を材料としてつくります。工事できる業者も多く、軽い屋根材ですので、耐震性にも優れている素材です。天然スレートは、岩石を薄くスライスしたものです。名前から察することが出来ますが、コストは非常に高いです。また、重さもあるので、人工スレートと比較して耐震性に劣ります。しかし、天然スレートにしか出せない、独自の色合いや風味がありますので、天然スレートはデザイン性がとても高い素材といえます。

スレート屋根の選び方

人工スレートの価格は、4,500~8,000円/㎡。耐用年数は、20年~25年。
天然スレートの価格は、10,000~円/㎡。耐用年数は、20年以上となります。

天然スレートは、岩石の種類によって大きくコストが変動します。スレート屋根は、約10年に1回の頻度で、塗装が必要となりますが、コストパフォーマンス、耐用年数共に最も選ばれる屋根となることに納得がいく程、優れた屋根といえます。コスト重視であれば人工スレート屋根、デザイン性を重視するのであれば、天然スレート屋根を採用してみると良いですが、冒頭での「屋根材選びで重要なこと」で解説した通り、初期コストを抑えることも大切です。初期コストを抑えた分、屋根の防水性や通気性、屋根の形そのもの等にコストをかけることが出来るので、それでもなお予算に余裕がある場合は、天然スレートでも良いでしょう。

 

陶器屋根

いわゆる瓦屋根です。日本住宅の歴史的に代表的な屋根材となります。

陶器屋根の特徴

瓦という屋根材の最大の特徴は、とても高い耐久性にあります。重さがある分、地震等で瓦が落ちるといった不具合を良く聞きますが、元々は重さがある分、地震時には落下することで、建物全体の耐久性を上げる役割もあり、危険といえば危険ですが、落下そのものは致し方ないと考えられます。耐久性が高いだけでなく、瓦1枚から交換可能、塗装も不要であり、素材としてのメンテナンス性にも優れています。一方で、それだけ高品質な為、コストは高いです。

陶器屋根の選び方

陶器屋根の価格は、9,000~12,000円/㎡。耐用年数は、50年以上となります。

高級ですが、50年という耐用年数は、他の素材と比較できないレベルです。但し、戸建て住宅が50年以上そのままであるかどうかは、日本の市場として考えると疑問でもあります。その為か、日本の歴史ある民家では、今もなお瓦が残っていますが、新築住宅で瓦の採用は、あまり見かけなくなったと思います。

 

アスファルトシングル

アスファルトシングルは、欧米でのシェアが非常に多い素材です。日本でも一般的に使用されるようになりました。施工性にも優れており、マンションの屋根の一部や玄関ポーチの屋根等、部分的に使用されることも多いです。

アスファルトシングルの特徴

アスファルトシングルとは、ガラス繊維にアスファルトを含浸させ、砂粒で表面を着色したものです。今まで紹介した屋根材をタイルとくくるのであれば、アスファルトシングルは紙のようなものです。触った間隔は、紙やすりに近いです。その為、非常に軽く、加工もし易い素材となります。「紙」と例えましたが、仕上げに防水シートが使用されている素材であるため、防水性は優れている屋根材となります。さらに、表面の吹付材が緩衝材となり、防音性に優れていますので、雨音が気になりにくいという特徴があります。

アスファルトシングルの選び方

アスファルトシングルの価格は、5,000~6,000円/㎡。耐用年数は、20年~30年となります。

但し、施工業者が少ない為、素材としては安いですが、工事価格が高くなる可能性はあります。複雑な屋根形状にも対応できるので、様々なデザインの屋根で利用出来ますが、屋根勾配に基準があり、勾配を他の屋根と比較して大きくする必要がある点に注意してください。屋根勾配を急にするということは、建物の高さが高くなる可能性があるので、地域性で採用できない場合があるということです。言われてみると、洋風住宅は屋根の勾配が日本の住宅より急なイメージがあるような気がします。また、強風等により、材料の剥離の懸念があります。

耐用年数は高いですが、表面の吹付材の種類によって変化します。一般的には10年に1回程度で塗装等のメンテナンスを推奨します。台風等が多い日本の地域では、風による表面の剥離に注意が必要です。

 

金属屋根

金属屋根の代表格が、「ガルバリウム鋼板」です。

「トタン」や「銅板」等もありますが、現代の新築住宅では基本的には見かけません。ガルバリウム鋼板は、金属ですが、防錆性に優れているので、採用している住宅も多いです。

金属屋根の特徴

「ガルバリウム鋼板」は、軽量で耐震性に優れること、複雑な形状の屋根にも対応し易いこと、防水性が高いことが特徴です。一方で、傷がつきやすい為、屋根に何かがぶつかった等のトラブルには弱い傾向にあります。また、雨音等の防音性は他の材料と比較して劣ってしまいます。しかし、金属材そのものが水を通さない為、雨漏りに対して重要視する場合、金属屋根の高い防水性は魅力的です。

金属屋根の選び方

ガルバリウム鋼板屋根の価格は、6,000~9,000円/㎡。耐用年数は、30年程度となります。塩害地域(海沿い)では、15年程度となるので注意してください。屋根の塗装は、15年~20年に1回程度で必要となります。

ガルバリウム鋼板の弱点部分を解消した、天然石付ガルバリウム(ジンカリウム鋼板)と呼ばれる素材もありますが、価格がいっきに上がってしまいます。金属屋根にこだわりたい場合には、そちらもチェックしてみると良いです。

 

屋根材のまとめ

屋根材のメリット・デメリットは一長一短です。また、屋根の形状そのものによっても、屋根の性能は変わってしまいます。設計士の考え方もきちんと伺いつつ、コストパフォーマンスを確認しながら、選ぶとよいでしょう。コストパフォーマンスを重視した場合に、よく選ばれている屋根材が「人工スレート屋根」、その次に「ガルバリウム鋼板屋根」という具合です。屋根の計画はとても難しいです。屋根材だけでなく、断熱性や防水性、通気性も非常に重要な要素となります。機能的でかつデザイン性にも優れた屋根が実現できるよう、この紹介を色々と参考にして頂ければ幸いです。

 

畳ベッドの種類一覧

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