厄年と聞くと、多くの人は災いが起こりやすい本厄を思い浮かべるでしょう。しかし、厄年の一連の流れは前厄、本厄、そして後厄の3年間で構成されています。この後厄は、「厄が明けたからもう大丈夫!」とつい油断しがちな時期ですが、実は最後の仕上げとして非常に重要な意味を持っています。厄の影響がゆっくりと薄れていくこの時期に、油断して無理をしたり、これまで厄年を無事に過ごせたことへの感謝を忘れてしまうと、思わぬ落とし穴にはまってしまう可能性も。
この記事では、後厄が持つ本当の意味や、本厄・前厄との具体的な違いを徹底解説します。そして、2026年において後悔なくこの時期を過ごすための心構えと具体的な行動についても詳しくまとめました。この記事を読めば、後厄を正しく理解し、安心して次のステップに進むことができるはずです。
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後厄とは?
後厄(あとやく)とは、本厄の翌年にあたり、厄年として数えられる3年間(前厄・本厄・後厄)の最後の1年間を指します。本厄のピークを過ぎたものの、まだ完全に厄の影響が消え去ったわけではない、厄の余波が残る期間とされています。この期間は、これまでの2年間で受けた災厄の影響が徐々に薄れ、平穏な日常へと戻っていくための移行期間と捉えることができます。単に厄が明ける直前の年と考えるのではなく、厄を無事に乗り越え、感謝と共に締めくくる年という意識で過ごすことが大切です。
後厄の意味と由来
後厄の意味は、その字の通り「厄の後」であり、災厄の影響が完全に去りきるまでの期間を指します。日本の厄年の考え方は陰陽道や古くからの信仰に由来し、人生の節目における心身の変化が大きい時期を指し示しています。3年間の厄年期間が設定されているのは、「災厄は一気に来て一気に去るのではなく、徐々に現れ、徐々に消えていくもの」という考えに基づいているからです。
- 前厄:厄の影響が徐々に現れ始める「兆し」の時期
- 本厄:厄の影響が最も強くなる「ピーク」の時期
- 後厄:厄の影響が徐々に薄れていく「収束」の時期
この3年間をかけて心身ともに準備・対処し、最終的に穏やかな状態に戻ることを重視しているのが、日本の厄年文化です。後厄は、本厄で厄除け・厄払いをした効果が継続し、その効力が切れる前に無事に厄を終えるための総仕上げの年だと言えます。
なぜ後厄があるのか
なぜ、本厄を過ぎても後厄があるのか?と疑問に感じる方もいるでしょう。その理由の核心は、物事は急に終わらないという考え方にあります。
例えば、大きな病気から回復するときも、熱が下がりきってもすぐに全快というわけではないですよね。厄年もこれと同じで、最も大きな災厄のピーク(本厄)を乗り越えたとしても、心身が受けたダメージや、悪い流れが完全にリセットされるまでには時間が必要だとされています。もう終わったと油断して無理をすると、本厄でかろうじて避けられたはずのトラブルが、気の緩みによって舞い戻ってくると考えられています。そのため、神社仏閣では「厄が完全に去るまで慎重に」という教えのもと、後厄までを厄年として数える風習が、2026年に至っても定着しているのです。
厄年の基本的な意味やその由来、歴史的背景について【厄年とは?】で詳しく解説。厄年の一年間をどのように過ごせば良いのか、心構えや伝統的な慣習まで紹介しています。
前厄 | → | 本厄 | → | 後厄 |
---|---|---|---|---|
厄が徐々に近づく (用心を始める年) |
災厄が最も強く訪れる年 (最も慎重に過ごす年) |
厄が徐々に遠ざかる (油断せず感謝する年) |
後厄の年齢と男女別の特徴
後厄の年齢は、厄年の数え方に基づき、本厄の翌年となります。厄年は数え年で年齢を数えるのが一般的です。数え年とは、生まれた時点で1歳とし、以降、元日(1月1日)を迎えるごとに1歳加算するという伝統的な数え方です。後厄は、前厄・本厄で心身が疲弊している中で、最後の1年を油断せずに乗り切ることが求められます。特に女性の厄年は出産や子育ての時期、男性の厄年は仕事で責任が重くなる時期と重なりやすいため、それぞれの年代特有のライフイベントへの注意が必要です。
男性の後厄年齢
男性の後厄は26歳、43歳、62歳の3回です。男性の後厄年齢と、その時期の一般的な特徴は以下の通りです。
※満年齢は、後厄を迎える年の誕生日を迎えているかどうかで変わります。
厄年 | 本厄 (数え年) |
後厄 (数え年) |
後厄 (満年齢) |
後厄時期の特徴と注意点 |
---|---|---|---|---|
小厄 |
25歳 |
26歳 |
24歳〜25歳 |
社会人として中堅になり、仕事で無理をしがち。健康診断やライフワークバランスに注意。 |
大厄 |
42歳 |
43歳 |
41歳〜42歳 |
責任が最も重くなる時期。過労やストレス、生活習慣病のリスクが高まる。家庭内のトラブルにも注意。 |
還暦厄 |
61歳 |
62歳 |
60歳〜61歳 |
定年退職や再雇用など、人生の大きな転機。心境の変化に伴うトラブルや健康面での急変に注意。 |
特に人生の大厄である42歳を乗り越えた43歳の後厄は、細心の注意が必要です。この年代は、仕事で責任が重くなり、疲労やストレスが蓄積しやすい時期。本厄の緊張が解けた油断から、生活習慣の乱れや健康問題が表面化しやすいとされています。また、26歳の後厄は、キャリアを築く上での無謀な挑戦や人間関係のトラブルに注意。62歳の後厄は、定年後の心境の変化や健康管理が鍵となります。どの後厄の年齢でも、無事に終えられたことに感謝し、最後の1年を穏やかに過ごすという姿勢が大切です。
女性の後厄年齢
女性の本厄は20歳、34歳、38歳の3回です。女性の後厄年齢と、その時期の一般的な特徴は以下の通りです。
厄年 | 本厄 (数え年) |
後厄 (数え年) |
後厄 (満年齢) |
後厄時期の特徴と注意点 |
---|---|---|---|---|
小厄 |
19歳 |
20歳 |
18歳〜19歳 |
社会に出る、または成人を迎える大きな転機。人間関係の変化や将来への不安に注意。 |
大厄 |
33歳 |
34歳 |
32歳〜33歳 |
出産・育児・キャリアの岐路など、心身ともに最も負担がかかりやすい時期。健康管理を徹底。 |
本厄 |
37歳 |
38歳 |
36歳〜37歳 |
30代後半の大きな節目。更年期に向けた体調の変化や、家族関係の変化に注意。 |
還暦厄 |
61歳 |
62歳 |
60歳〜61歳 |
男性同様に人生の大きな転機。特に女性はホルモンバランスの変化に注意し、穏やかな生活を意識する。 |
女性の厄年は、男性よりも1つ多い4回あります。本厄が19歳、33歳、37歳、61歳で、その翌年が後厄となります。中でも、33歳(大厄)の翌年である34歳は、女性にとって最も重要視される後厄です。この時期は、結婚、出産、育児、キャリアアップなど、人生における大きな喜びと同時に、心身への負担も伴うイベントが集中しがちです。本厄で受けた心身の疲弊が、後厄の油断で表面化しないよう、規則正しい生活と健康診断を欠かさないことが重要です。また、30代後半の38歳(後厄)も、ホルモンバランスの変化など体調の変わり目に当たります。厄が完全に去り、次の幸運期へ進むために、ご自身の心と体を労わることを最優先しましょう。
後厄の年齢をまとめました。
【男女別 後厄年齢一覧(数え年)】
後厄年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
26歳 |
20歳 |
|
43歳 |
34歳 |
|
62歳 |
38歳 |
|
|
62歳 |
2026年の後厄については、すぐに確認できる【2026年 後厄早見表】をご覧ください。
本厄・前厄との違い
後厄は、前厄・本厄という厄年の流れの終着点にあたります。前厄は「厄が入り始める兆し」、本厄は「厄の力が最も強いピーク」です。対して後厄は、「厄の力が徐々に弱まり、完全に去っていく収束期間」です。ピークは過ぎたものの、油断による思わぬトラブルを避けるため、最後の1年間を慎重に過ごすことが、前厄・本厄との最大の違いであり、重要点です。
本厄との違い
本厄は、厄の影響が最も強く表れるピークの年とされ、人生で最も大きな災厄が起こりやすいとされています。そのため、一般的に厄払いを行う時期として認識されています。一方、後厄は厄の影響が徐々に弱まり、去っていく年です。
比較項目 | 本厄 | 後厄 |
---|---|---|
厄の強さ |
最も強い(ピーク) |
徐々に弱まる(収束) |
性質 |
災厄が「表面化」しやすい |
厄が「残り香」のように薄れる |
すべきこと |
厄除け・厄払いを受ける |
厄が無事に明けたことに感謝する(お礼参り) |
心構え |
「備えよ常に」の緊張感 |
「気を緩めすぎない」慎重さ |
本厄は「攻めの厄除け」が必要ですが、後厄は「静かなる油断禁物」の心構えが必要となります。
前厄との違い
前厄は厄の影響が現れ始める準備期間であり、厄の兆候を感じやすい時期です。体調の小さな変化や、人間関係のギクシャクなど、いつもと違うなと感じることが増えるかもしれません。一方、後厄は厄の影響が終わりに近づく収束期間です。
比較項目 | 本厄 | 後厄 |
---|---|---|
厄の強さ |
厄が「入ってくる」 |
厄が「去っていく」 |
性質 |
3年間の初年度 |
3年間の最終年度 |
すべきこと |
変化の兆候を見逃さない |
気の緩みを生まない |
心構え |
「備えよ常に」の緊張感 |
「気を緩めすぎない」慎重さ |
前厄で厄が始まることを自覚し、後厄で厄が無事に終わることへの感謝と確認を行うという違いがあります。どちらも本厄に比べると影響は弱いものの、油断は禁物という点では共通しています。本厄と前厄を無事に過ごすためのポイントは、【本厄とは?】【前厄とは?】で分かりやすく説明しています。
後厄で注意すべきこと
後厄は厄年の最終年であるからこそ、無事に終えるための最後の注意点があります。多くの人が「もう終わるから」と油断しがちな時期であり、そこにつけ込むように思わぬトラブルが発生することもあるのです。後厄で最も注意すべきは、もう大丈夫という気の緩みです。本厄という緊張状態を乗り越えた安心感から、無理な生活習慣に戻したり、軽率な行動を取ったりすると、これまで避けられたはずのトラブルが「残った厄」として現れることがあります。
この時期は現状維持を意識し、心身の養生に徹しましょう。特に、健康管理(定期検診)、家庭円満、仕事での人間関係の3つの面で油断しないことが重要です。2026年に後厄を迎える方は、大きな転職や独立、大規模な投資など、生活を大きく変える決断は翌年以降に延期することがおすすめです。
油断しやすい時期に気をつけること
後厄の最大の落とし穴は、心の緩みです。本厄という緊張状態を乗り越えた達成感から、もう大丈夫と気が大きくなりやすい時期です。しかし、厄の影響はまだ完全には消えていません。この気の緩みによって、無理な挑戦をしたり、生活習慣を乱したりすると、本厄でかろうじて避けられたはずの災厄が、残った厄として顕在化することがあります。後厄の1年は、厄を無事に乗り越えられたという幸運に感謝し、その状態を維持することに注力すべき時期です。特に、環境を大きく変えるような決断(転職、独立、大規模な投資など)は、できる限り控え、現状維持を意識した穏やかな生活を心がけましょう。
健康・家庭・仕事面での注意点
健康・家庭・仕事面で具体的に気を付ける点は下記3点です。
健康面
- 無理なダイエットや過度な運動は控える:心身のバランスが崩れやすい時期です。
- 定期検診を怠らない:本厄で発覚しなかった小さな不調が、疲れから後厄で表面化することがあります。
- 疲労やストレスを溜めない:規則正しい生活と十分な休養を最優先しましょう。
家庭面
- 家族への感謝を忘れない:厄年の3年間を支えてくれた家族への配慮を怠らないことが、平穏を保つ鍵です。
- 大きな買い物・契約の検討を慎重に:新築や高額なローンなど、家族の運命を左右する決断は、一旦落ち着いて検討する期間としましょう。
仕事面
- 新しい挑戦より現状維持を優先:昇進・独立など、責任が増す大きな変化は翌年以降に延期できるならその方が安心です。
- 人間関係を円満に保つ:仕事上のいざこざや、トラブルが起きやすい時期でもあります。言葉遣いや態度に配慮しましょう。
厄年にやってはいけないとされる代表的な10項目を【厄年にやってはいけないこと】でリストアップ。運気を下げずに穏やかに過ごすため、ぜひご確認ください。また、こちらでは後厄で避けたいチェックリストをまとめたので、ご活用ください。
【チェックリスト】後厄で特に避けたい行動
- お礼参りを忘れる:厄が無事に明けたことへの感謝を怠ると、神様や仏様への不義理となり、新たな災厄を招く可能性があります。
- 無理な生活習慣を再開する:本厄で改善した飲酒、夜更かし、過労などを再開し、健康を害する。
- 人間関係を疎かにする:仕事やプライベートで、これまで支えてくれた人への感謝や配慮を忘れる。
- 「もう大丈夫」と油断する:気の緩みから、不注意な行動や軽率な決断をしてしまう。
- 大きな環境変化を強行する:引越しや転職、独立など、生活基盤を大きく揺るがす行動を軽々しく行う。
後厄の過ごし方と厄払い
後厄の過ごし方で最も重要なのは、感謝と心身の養生です。まずは、本厄を無事に乗り越えられたことに感謝し、その状態を維持する努力をしましょう。大きな挑戦や変化は避け、資格取得や趣味など、自己投資や基盤固めに時間を使うのがおすすめです。そして、後厄が無事に明けた際には、厄除け・厄払いを受けた神社やお寺へ必ずお礼参りを行いましょう。これは、3年間守護してくださった神様仏様への感謝を伝えるための、運気の締めくくりとして非常に大切な行為です。感謝の気持ちで厄年を卒業し、清々しく幸運期を迎え入れる準備を整えましょう。
お礼参りの必要性
お礼参りとは、本厄の際に行った厄除け・厄払いの効果で一年間無事に過ごせたことへの感謝を伝えに、神社仏閣へ参拝することです。後厄を無事に終えたら、できるだけ早い時期にお参りに行きましょう。お礼参りは、厄年が無事に終わり、心機一転して次のステップへ進むための卒業式のようなものです。「終わりよければすべてよし」という言葉があるように、最後を感謝の気持ちで締めくくることが、今後の運気を上げることに繋がります。
後厄の過ごし方のポイント
後厄の1年間を穏やかに過ごすためのポイントは、感謝と養生です。以下4つのおすすめを紹介します。
感謝の気持ちを伝える
厄年を支えてくれた家族、友人、職場の同僚に改めて感謝を伝えましょう。
「吉報」を意識する
厄が明けた後は良い運気が入ってくると信じ、その運気を迎える準備として、笑顔を絶やさず、前向きな言葉を使うよう心がけましょう。
基礎を固める
スケジュールに余裕を持ち、あえてゆっくりと流れる時間を意識的に作ることで、心身の安定を保つことができます。
厄払いを再検討するケース
本来、後厄はお礼参りですが、どうしても不安が拭えない、この1年で体調が優れないことが多いという場合は、改めて厄払いを受けても問題ありません。神社やお寺に相談してみましょう。
2026年度の後厄と厄年一覧は【2026年 後厄】【2026年 厄年早見表】でご確認ください。
まとめ|後厄を正しく理解して安心して過ごす
後厄は、前厄、本厄と続いた3年間の厄年サイクルの最終章です。その意味は厄の終わりを告げるものですが、同時に油断は禁物という戒めも含まれています。2026年の後厄を平穏に、そして有意義に乗り切るための最終的なポイントは、以下の通りです。
- 後厄は「厄の影響が徐々に消えていく収束期間」である。
- 本厄のような大きなトラブルは減るが、気の緩みによるミスやトラブルに注意が必要。
- 後厄を無事に終えたら、必ず「お礼参り」を行い、感謝の気持ちで締めくくる。
あらゆることに感謝の気持ちを持って過ごすことは、後厄だからということではなく、毎日こころがけていくべきですよね。この記事を通じて、後厄に対する不安が解消され、清々しい気持ちで次のステップへと進めることを願っています。後厄の1年を慎重に、そして2026年を感謝の気持ちを持って過ごし、人生の幸運期を迎え入れましょう。